ハイどうも
思いついた事を勢いに任せて書き綴る
きのまま小説の時間です。くろすです。
賛否両論ありますが
この際気にしません。
まぁまぁ、読んでみて下さい。
『気合いだ!気合いだ!気合いだ!』
なぜだろう?
遠くから最近めっきり影が薄い
アニマル浜口の叫び声が聞こえる。
『気合いだ!朝だ!気合いだ!』
あぁ、そうだ目覚まし時計だったね。
私は布団から手を伸ばすと
ベッドの上のアニマル目覚ましの頭を叩いて黙らせた。
入学したての頃、
寝起きの悪い私に
お母さんが買ってきてくれた目覚まし時計。
「どんなヤツがいい?」
明るく聞くお母さんに
「かわいいやつ、動物のとか。」
なんとなくそう答えた私がバカだったよ。
いや、確かに動物だけどさ。
アニマルだけどさ。
それから毎日私は
アニマル浜口に叩き起こされる毎日を送っているわけです。
ちなみに一つ付け加えるとお母さん、
レイザーラモンHG目覚ましと本気で迷ったらしいです。
朝から『フォー!フォー!』
考えただけでも胃がもたれそうだよね。
さて、今日は待ちに待った金曜日。
つまりは私の合コンデビュー日!
いつも遅刻ギリギリに目覚める私が
今日は六時ぴったりに起床。
新しい朝です!
希望の朝です!
私は軽く教育番組のお姉さんなテンションで
家を出ました。
こんにちわ鳥さん!
今日も元気にはばたいてね!
ゴミステーションで
生ごみを食いあさるカラスに向かって暖かい目を向ける私。
こんにちわ犬さん!
今日も元気に走り回ってね!
朝からウチの前で
種の保存にいそしむ野良犬に暖かい目を向ける私。
学校では、話をもってきてくれた礼子と
参加メンバーである寛子とで
夕方の合コンの事で大盛り上がりだ。
「カラオケの選曲ってどうしたら良いかなぁ?」
真剣に悩む寛子。
寛子は背が小さくて
世間をあまり知らないお嬢様系とでも言う感じ。
思わず頭をナデナデしたくなるようなかわいいコだ。
そのくせ
寛子ってばカラオケに行くと
必ず歌いながらヘッドバンキングをしすぎて
鞭打ちになってしまう程の毒ロック好き。
悪霊にでも憑かれたのかと心配になってしまう。
私たちには理解不能。
それが彼氏のいない要因の一つであることは間違いないと思う。
「え~、寛子は寛子らしくて良いと思うよ~。」
礼子が楽しそうに答える。
いや、いくないと思うけど。
明らかに楽しんでいる礼子。
礼子はいわゆるお姉さん系でモデルのような体型をしている。
噂によると幼稚園の頃から
彼氏がいなかったためしがないらしい。
小3でヤクザの組長に気に入られ
クラブのママにスカウトされたとかなんとか。
「ん~、でもそうだよねぇ。私ロック以外歌えないしさ~。」
何だか妙に寛子が納得しているので
「寛子からロックをとったら『気合いだ!』って言えない
アニマル浜口みたいになっちゃうもんね。」
私はとりあえずお茶を濁してみた。
歌わないほうが良いといっても
泳ぎ続けないと死んでしまうカツオのように、
カラオケしに行って
寛子からロックをとったら死んじゃうかもしれないしね。
長い長い一日が過ぎて
放課後。
私たち三人はさっそく集合場所であるカラオケ屋へと向かった。
途中パルコに寄る。
トイレで私服に着替え軽く化粧を直すためだ。
ガシャッ、
耳障りな金属音。
私がトイレで着替えていると
隣に入っている寛子の服がトイレの壁にかかった。
えぇぇっ!
金属のトゲトゲスパイクがキレイに並んだ皮のベスト。
そして、ブーツ。
カカトには縦にギザギザの付いた円形の車輪が着いている。
いや、気合い入れてオシャレして行こうねって
確かに、確かに言ったけどさ!
アニマル浜口級の間違った気合いの入れ方だよ寛子たん。
「寛子、まさかそれ着るの!?」
壁ごしに言う私。
「うん!気合い入れてもってきたの!」
着る気満々だよこのコ。
「え!?ナニナニ!?」
逆隣からは礼子の声。
「いや、寛子が、ヘビーでロックでパンクでエキセントリックでファンキーでクレイジーでジャンキーな服をもってきたもんだからさ。」
「気になる!見たい見たい!」
私の的確な表現に大いに食い付く礼子。
ガチャ、
ほぼ同時にトイレから出る三人。
私と礼子は寛子に目を向けた。
どっかのロックバンドのおっかけを通り越して、
世紀末風になってるね、、。
横を見ると礼子の顔が凍り付いてる。
さすがに礼子もコレと一緒にあるくのははばかれるらしい。
言葉を失っている私たちを尻目に
寛子は鏡の前でメイクを始めようと
カバンから色とりどりの化学薬品(化粧品)を取り出し始める。
そこで耐えきれずに私が口を開いた。
「寛子、あなたのそのファッションセンスを認めてくれる人は
世の中にきっと沢山いると思うの。
でもね、一般的に初対面の人がそれを見たら
ちょっとびっくりしちゃうよ。」
我ながらナイスフォロー。
「つまりドン引きって事ね。」
って、おぉぉい!
礼子が止めの一撃を無慈悲にも刺したのでした。
てんやわんやしつつ
結局仕方ないので寛子は制服で行くことに。
さてさて、ここからが本番です。
次回につづく